十年前と今をくらべると?
ウェブサイトを取り巻く状況、10年前と今をくらべると、随分といろんなモノ・コトが変化していることに気づきます。
ウェブブラウザの世界が変わりました。インターネットエクスプローラー(IE)一色だったこの世界に、FireFox、Google Chrome、Opera、Safariといった、ブラウザの標準仕様に比較的忠実な製品が地歩を築き、着実にシェアを伸ばしています。意外な事実ですが、IEは非常に独自色が強く(バージョン9になって大分改善されましたが)、それ以外のブラウザではきちんと表示されるのにIEではレイアウトが崩れる、またはその逆、といったことが非常に良くあります。もしあなたのサイトが10年以上前に作られたものだったなら、IEだけでしかきちんと表示されない設計になっていることがありえます。もしあなたのサイトがそうだったら、多くの人が崩れた表示の状態で見ている可能性があるのです。ぜひ一度確認してみて下さい。
ディスプレイが変わりました。横のピクセル数が1024個や1280個だったものが、今では1920個がほとんど。横と縦の比率も、4対3や5対4から、ぐっと横長になって16対9へ。たった今ご覧になっているその画面、昔はスクロールしないと見きれませんでした。現在では、このディスプレイ環境を最大限に活かしたダイナミックなウェブデザインが日夜産み出され、同時に、昔ながらの環境や、スマートフォン、タブレット端末にも対応する『リキッドデザイン』と呼ばれる手法も研究されています。
スマートフォン、タブレット端末といえば、これらの登場によって、PCサイトと携帯サイトを含めた各端末をどのようにカヴァーしていくか、ウェブサイトの運営に新たな決定要素が持ち込まれました。これは、mixi、Twitter、フェイスブック、Google+といったソーシャルメディアの発達とも絡み合い、問題がより複雑になっています。どの端末、どのメディアで、何をどのように発信していくのか。あなたのウェブサイトももう一度整理してみる必要があるかもしれません。
セマンティックウェブ、HTML5、CMS…。ウェブ始まって以来の大変化
目に見える変化だけではありません。GoogleやYahooといった検索エンジンに、そのサイトの情報を伝える仕組みが大きく拡張され、この仕組を備えているサイトは、そうでないサイトに比べて、今後相対的に有利になっていくでしょう。総じてセマンティックウェブと呼ばれるこの仕組み、近年やっと一般化してきたHTML5という規格において手軽に扱うことができるようになりましたので、ビルトインしているサイトは一気に多くなりました。実は肝心カナメのSEO的な観点から言うと、一番大きな変化はこの点かもしれません。
ブログを更新したり、アクセス状況を確認したり、という、バックヤードの環境も変わりました。わんどのwebで散々お勧めしている、コンテンツマネージメントシステム(CMS)が普及したことで、統合的な管理環境が容易に構築できます。いままで、ブログはあのサービスで、アクセス解析はこのサービスで、と、あちこちの寄せ集めで運営していたサイトが、一つの編集システムの中にスッポリと収まり、さらなる機能拡張も、プラグインとして設置するだけですので、随分と簡単になりました。私たち制作業者の負担も相応に減るので、その分コストダウンが可能になります。CMSは、ただ便利で多機能なだけでなく、費用対効果を高めるためのマストツールでもあるのです。
まだまだ他にも沢山の変化があります。インフラストラクチャーはADSLから光通信へ、ブラウザ上のヴィジュアルエフェクトはAdobe FlashからjQuery(JavaScript)とCSS3へ、PC本体はマルチコアへ、レンタルサーバーは大容量&低価格化へ…。この5年間が、ウェブの世界が始まって以来の大変化の時代だったことを、あらためて感じずにはいられません。
あなたのサイトをリニューアルする理由
「ウェブサイトをリニューアルするのは今しかない!」などと、ありきりたりな煽り文句を言うつもりはありません。ただ、もしあなたのサイトが5年以上前に作られたものなのであれば、それは本当に、この先の使用に耐え得るものなのかどうか、じっくりと吟味してみて下さい。また、この変化に100%対応したサイトと十分に戦えるかどうか、想像してみて下さい。そして逆に、あなたのサイトが100%対応したときのことをイメージしてみて下さい。そこには、リニューアルする理由が必ず見つかるはずです。