オークションで入手したものです。Wikipedia上では、2012年10月現在その存在が確認できませんが、トキナーの英語版サイトのアーカイブにこのレンズのページがあるので、少なくとも90年代にはまだ販売されてたみたいです。ちなみにページのソースには、

<meta name='generator' content='Adobe GoLive 6'>;

とあって、GoLive 6のリリースは2002年だそうですから、その頃にもまだ売ってたんでしょうね。

日本人によるレビューが極端に少なく、あっても私のように「中古で入手しました」という人しかいない。英語のサイトには新品で買って使ってるっぽいレビューも割とあるし(なにせ英語なんで、本当にそうかどうか分からない)、数も比較的多いので、もしかしたら海外でしか販売されていなかったモデルなのかも知れません。

写りは、「f8まで絞らないとキリッとしない」というのが、英語のレビューによる共通の評価。確かにそんな感じで、開放のパープルフリンジは結構盛大に出るんですが、私としては、とにかく何を写しても黄色が被るのが気になってました。レンズの中をのぞき込んだら、中玉のあたりにカビが。分解するための体のいい口実発見。早速実行。

ぶっといピントリングのゴムを外す、というか、ひん剥くと、黒のセロテープでぐるぐる巻きにされた胴体が出現。テープは全部剥いじゃいますが、金具がテープで止まってたりするので、その様子はしっかり覚えとく。
前玉を外して、露出したヘリコイドと、無限遠調整のための機構。この金属の筒もねじ込み式になっていて、どの周回でロックするかをイモネジで決める仕組み。なるほど、うまくできてるもんですね。こういうのは見てるだけでワクワクします。
前玉から鏡胴を覗くと、こうなります。カビてるのは、さらにこの奥にあるレンズ。なので、上下にあるちっちゃいカニ目の穴に、広げたピンセットを突っ込んで回そうとしましたが、
ずるっと滑ってこのとおり。はぁ~、もう泣きそう。とりあえずレンズには被害がないみたいだったんで、気を取り直して慎重に再チャレンジ。すると…
めでたくカビとご対面!

…したのはいいのですが、このカビ、レンズの裏っ側に生えてるらしい。前玉側からはもうこれ以上攻められないみたいなんで、後玉を開けなきゃいけない。つまり、今までの作業、全て意味がなかったというワケで…。まぁ、いろんな機構を勉強できたんで良しとしましょう。しっかり引っかき傷付けちゃったけど。

続く。